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禍転じて再び親バカと為す

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 子どもは親を捨てない

 道端で、母親が子供を叱りつけている。「もう勝手にしなさい!」と言い、その場を去ろうとする母親。それに対し子供は、決まってワアーンと泣き出し、母親を追ってすがりつくのだ。私には、それがいつも不思議だった。
 例えば大人の私なら、誰かに怒鳴られたりしたら予期しなかったことで言葉を失うか、又はむっとするか。父は今でも私を叱るが、つい口答えして喧嘩になってしまう。後で一人になれば泣くこともあるかもしれないが、とにかく怒鳴ってきたその相手にすがりつくなど、考えられない。
 それが小さい子供となると、自分を大声で叱りつけ去ろうとする母親に対し、行かないでと泣いてしがみつくのだ。うちの春香など、「だっこだっこ!」と必死で訴えてくる。
 実際に子を持ってみて分かったのだが、どうやらあの不思議な場面とは、悪いことをしたとはわかっておらず、よって反省などなく、お母さんが怒った、いつもの優しいお母さんはどこへ行ったの、という、ただ単に悲しみの表現だったらしい。お母さんにはいつも甘えていたいから、時に目をつり上げて甘えさせてくれないとなると、もう絶望的になって泣くしかない、というところか。

 山崎房一という人が、著書の中でこう述べている。離婚をしたり養子に出したりして、親が子を捨てるという現実は、実際に起こりうる話ですし、子どものほうとて本能的にそれに気がついているのです。一方、子どもはけっして親を捨てません。子が親を捨てるというケースは、そもそも社会構成上起こり得ないのです。
・・・確かに家出をするには経済力や人脈が必要なので、少なくとも十代後半にならないと難しいだろう。親がたとえ鬼であろうと、小さいうちは親にすがって生きるしか道がない。こんな私が、我が子にこれほど盲目的に愛されてしまう理由が、これだ。実は本能だったのだ。顔をくしゃくしゃにして舌たらずな口調で「おかあさん、だーいすき」などと言われてしまう。これがかわいくなくて、何であろうか。

 幼児春香の誕生

 そんな春香も間もなく二歳。ここに来て、少々雲行きがあやしいことがある。
 そもそも妊娠中、「親子間の摩擦や衝突を避けるために、子どもと二人きりで三時間以上いるのはやめましょう」というアドバイスを聞き、これをぜひ守ろうと思っていた。ところが生まれてくるとかわいいことこの上なく、もうずっと一生このまま二人でいてもいいとさえ思った。平気で一日に三十回くらい「かわいい」を連発していた、この私が、心からそう思えない日もぼちぼち出てきた。あれほど親バカだった私が、最近は二十四時間バカでいることはできなくなっている。それは何故か。
 そもそも春香のことをかわいいと思っていたのは、容姿に対してよりも「お母さんがいなければ生きていけない」という捨て身の愛情表現だった。春香にとっては私がすべてという状況が、私を有頂天にし、かつ責任感を持たせていた。私が叱れば大泣きしてすがってくる、そのひたむきさに心を打たれていたのだ。
 ところが、叱られても知らんぷりをするようになってきた。「ぎゅうにゅう、のむ」と言うので牛乳を温め、持っていってやると、もう飲まない。「ぎゅうにゅう、おいしくない」とのたまう。何が気に入らないのか、牛乳が入ったコップを手で押して床に落としたりする。私は怒り心頭、ハイチェアから乱暴に抱き上げベビーサークルに入れてしまう。昔はまるでこの世の終わりのように泣き叫んでいた春香も、今は一分後に泣きやみ一人で遊び始める。とぼけて「これなあに」などと言うので、思わず「そんなの知らなくていいっ!」と言ってしまう。いつにも増してにぎやかにしゃべり歌う、我が子の神経を疑いたくなる。
 おむつを替えようとする私から逃げ回った挙げ句「おとうさん、やる」と言うこともある。「あっそう、お父さんがやるの」と言って行こうとすると、今度は泣いて追いかけてくる。「おかあさん、やるの。おかあさーん!」 そこでやっと私の気がおさまるのだ。そう、はっきりいって私の権力が絶対でなくなったことが面白くない。これは成長した証拠なのだが、素直に喜べない。
 もう着せ替え遊びもさせてもらえない。「じぶんでやるから!」と言って私の手からTシャツを奪い、パジャマのまま両足をつっこんでもがく。「できなーい!」と言って助けを求めてくるまで、しばらくやらせておくしかない。タイミングを逃すと、今度はかんしゃくを起こして何でも投げつける。
 強力な武器だったはずのおっぱいさえ、機嫌の悪い時は何の役にも立たない。抱っこをしても何が欲しいか聞いても、泣き叫ぶばかりだ。腕の中で暴れまわるので、もう転がしておくこともある。しばらくすると、何をしたわけでもないのに泣きやんだりする。

(この続きは、書籍でどうぞ)

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