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卒乳に思う

(これまでのあらすじ → 娘の春香は、2歳を過ぎてもまだ母乳を飲んでいた。私は本人がやめると言い出すまで授乳を続ける「自然卒乳」を目指していた。が、どうやらしつこい疲労感はこの長期授乳のせいだと思い当たったので、2歳半になったらやめると決め、その日まで「おっぱいやめようね」と言い聞かせた。決行当日、もう最後だとわかったのか、春香は夜遅くまでおっぱいをせがんで寝つかなかった。
 そして翌日・・・。)

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 その夜。いつものように絵本を2冊読み聞かせ、二人して横になった途端、「はるか、おっぱい、のむ」と言う。「あれ? 春ちゃん、もうおっぱい、やめたんじゃないの?」と言ったが、「おっぱいー、おっぱいのむー!」とまた始まった。両足をバタバタし始めると、抱っこもしてやれないし、手のつけようがない。仕方なく、「おっぱいー」と言う春香に「え? 抱っこ?」ととぼけて言い、「おっぱい、おっぱい!」とくり返すとまた私は「え? 抱っこしてほしいの?」ととぼける。そのうちにあきらめたのか、「だっこ」と言って両手を伸ばしてきたので、すかさずラッコ抱きにした。背中をトントンしながら「おやすみなさい」の歌を歌い、その後、考えた末、うろ覚えの桃太郎を話して聞かせた。
 以前本で読んだのだが、完全に眠りにつくまでのうとうとしている間にくり返し聞かされたことは、よく頭に入るらしい。その時間に何か物語をくり返し語って聞かせれば、日本語の語彙も増えるのではないかという魂胆である。というわけで、桃太郎で卒乳1日目は過ぎた。

 2日目の朝。いつもは喜んで行くプレイグループに、今日は行きたがらない。こういう時に無理に行かせることはないと判断し、家で遊ばせる。お昼寝時はまた同じように騒いでいたが、最終的には抱っこで寝つく。
 まあ、こんな感じでそのうち慣れていけば、と思っていた、その夜。おっぱいを要求して、とうとう泣かれてしまった。昨日は騒いでいたものの涙はなく、「さすが2歳半ともなると、泣かずに言葉で要求できるんだな」と感心していたのに。その日の春香は、ちょっと気が立っていたようだった。というのは、まるで卒乳を待っていたかのように、私が激しい頭痛におそわれ、体調をくずしたので、春香をあまり構ってやれなかったのだ。

 妊娠中も含めてこの3年あまり、私は風邪薬を服用することがただの一度もなかった。気が張っていたのか病気にならなかったし、風邪には生姜を入れたはちみつレモンを飲んで治していた。しかし、今回は激しい頭痛、歯痛、だるさ、下痢、鼻、咳とどれも症状が重かったので、医者にかかった。そして、実に三年ぶりに風邪薬をのんだ。
 その20分後には、頭痛がすっと引いた。まるで別人、別世界である。さっきまでまともに歩くこともできず、背中を丸めて足を引きずっていた私が、まったく何事もなかったように背中を伸ばして歩き回っている。薬というものは、かくも偉大な発明品だったのである(風邪を引いたら、それは体を休ませろという合図だろうに。こんな風に症状が消えてしまっては、つい普段通りに動いてしまい、かえって長引くのではと疑問に思わなくもなかったけれど)。というわけで、いくら春香が泣いたところで、その日はもう授乳ができなかった。

 今まではしんどくても、求められれば必ずあげていたおっぱいを、今日はもういくら泣かれてもあげられない。せっかく今まで努力して築いてきた「お母さん=おっぱい」という甘く優しいイメージが、春香の中で壊れつつあるんだろうなあと思いながら(毎日のように怒鳴っているくせに)、ただ「ごめんね、お母さん、今日はお薬のんだから、もうあげられないの・・」とくり返した。

 はるか、おっぱい、やめるの!

 ところが。翌日、3日目のお昼寝は、なんとおっぱいの「お」の字も言わずに、自分から抱っこを望んで寝ついたのだ。ああ、これでもう卒乳かあ、ずいぶんあっけないものだな、というのが正直なところだった。
 しかし、その夜は再び「おっぱいー」が始まった。泣きはしなかったが、かなり執拗だった。こうなると私も折れそうになり、窮地に立たされた。といっても薬を服用中では、いくら心が揺れ動いたところで、どうしようもないのだった。
 そし4四日目の、お昼寝前。私の目をのぞき込むと、言ってみたかったのか「おっぱい」とだけ言った。ただ、その時はすでに横になって寝る体勢に入っていて、それ以上は何もなかった。

 それより何より、その日の夕方のこと。台所にいる私のそばで、おとなしく一人で遊んでいた春香が突然、何の前触れもなく、「はるかね、おっぱい、やめるの!」と言ったのである。それも、素晴らしいアイデアがひらめいたかのように、目を輝かせて。

 私は思わずひざまずき、春香を抱き寄せ、感激に胸をつまらせた。これが、自然卒乳なのだ。春香は自分から、おっぱいをやめることを宣言したのだ!



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